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主語に気をつける

こんにちは。

カウンセラーのあるくみです。

 

 

先日、ネットで「グレタ・トゥーンベリさんはどうして中年男に嫌われるか」というタイトルの記事を見ました。

グレタ・トゥーンベリさんのことはご存知だと思いますが、16歳の環境活動家で、国連でのスピーチはさまざまな反響を呼びました。

多くの賛同を得る一方で、激しく攻撃もされています。

ネットでは他にも「グレタが嫌われる理由」「なぜグレタさんは日本で嫌われる?」といったタイトルの記事が見受けられます。

 

記事の内容はさておき、ここで問いたいのはタイトルの主語です。

なぜ、「中年男はどうしてグレタ・トゥーンベリさんを嫌うのか?」ではないのでしょうか?

 

 

主語とは、述語の主体です。また主題でもあります。

つまり、「嫌われる」という述語の主体をグレタさんにすることで、主題は彼女で、彼女の側に問題があるという意味合いになります。

 

ちなみに、この記事の中で取り上げられている英紙のコラムのタイトルは「どうして中年男性はグレタさんを嫌うのか」です。

中年男性が主語になっている、ということは、主題は中年男性で、問題は中年男性の側にあるという意味合いになります。

 

 

難しい文法のことをここで言いたいわけではありません。

主語を何にするかで、意味合いが大きく変わってしまうので気をつけなければいけないということです。

このグレタさんのことは、中年男性の側に彼女を嫌う理由があるのに、恣意的にグレタさんを主語にすり替えていると思うのです。

 

 

カウンセリングでも、主語は大事にします。

 

例えば、クライアントが第三者のことを話していても、「あなたは、そのことで......〇〇なのですね」と主語をクライアントにして応答を返すことで、自分自身の問題と捉えることもできます。

また、その反対に、問題をクライアントから分離することも可能になります。

 

 

日本語は、ときに主語がなくても文章が成立してしまいます。だからこそ、その文脈の主語は何か、ということを意識することが大事になりますね。

 

 

byあるくみ