「心理学」✖「聴くチカラ」で楽に生きる

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カウンセリングルームに入る前からカウンセリングは始まっている

こんにちは。

カウンセラーのあるくみです。

 

今日、気づいたことは『カウンセリングはカウンセリングルームに入る前から始まっている』ということ。

と言ってもプロには当たり前のことなのですが、私のような半人前には、つい話し始めてからの内容ばかり気に止めてしまうものでして......

 

改めて思ったきつかけは、実に9週間ぶりにストレッチの専門店に行ったことで、はっ、とすることがあったのです。

いつもは月に一度の頻度で通い、トレーナーさんに体の状態を見てもらい、ストレッチの指導を受けているのですが、新型コロナの影響で通えず、期間が長く空いてしまいました。

 

更衣室で鏡を見ながら、太ったかも、と思いながらトレーニング・ウェアに着替えておりました。更衣室を出たあと、鏡張りのトレーニング・ルームでトレーナーさんに問診され、状態チェックのために前屈をさせられます。

ここまではいつもどおり。

その後、トレーナーさんに

「入店して更衣室に入るまでを見ていたら、すっかり猫背になっていてヤバイと思ってました」

と笑われながら言われたのです。

ここで、『はっ』となりました。

問診で「すっかり運動不足になってしまって、ストレッチもサボリ気味で、家のノートパソコンでずっと仕事をしているから姿勢も悪くなって肩こりもひどいんです」と正直に申し上げております。ごまかすつもりも見栄をはる気もないのです。

 

でも、鏡の前で自然と姿勢を正してしまうのですよね。

そしてトレーナーさんの目を意識して、前屈もなんとか頑張ろうとしてしまうのですよね。

 

自然な状態でいることができないのです。

 

そういうことがあり、カウンセリングでも同じだろうな、と思いました。クライアントはカウンセラーの前に座れば、取り繕うつもりはなくても、自然な状態でいることは難しいでしょう。

 

もちろん、更衣室に入るまでの動きを見ていなくても、指導中に『背筋伸ばしているけど、猫背がひどくなっているな』とか『前屈頑張っているけど、怠けていたな』ということは分かると思います。

でも鏡やトレーナーさんの目を気にしている状態より、自然に動いている方が一目瞭然ですよね。

 

病院の診察でも同じようです。

精神科医中井久夫先生の随筆に、

『~必ず待合室へ行って患者を招いた。(略)また、待合室の患者は、診察室と違った顔を見せてくれる。診察はそこから始まっているともいえる。』

といった文章があるのを思い出しました。

 

だから可能であれば、カウンセリングが始まる前の素の状態を見ておきたいものです。

 

 

byあるくみ